脳神経外科医と鍼灸師の連携による腰痛治療

井須豊彦 氏

筆者は脊椎脊髄外科を専門としている脳神経外科医である。本稿では、脳神経外科医と鍼灸師との腰痛治療における医療連携の経験を述べたい。

【Ⅰ. なぜ、脳神経外科医が腰痛治療?】

脳神経外科とは脳、脊髄、末梢神経系およびその付属器官(血管、骨、筋肉など)を含めた神経系全般の疾患のなかで主に外科的疾患の対象となり得る疾患について診断、治療を行う医療の一分野と定義されているが、わが国では、脳外科と総称されることがあり、脳の病気しか治療していないと思われがちである。脊椎脊髄外科を専門としている脳神経外科医の人数は、整形外科医に比べると少ないが、日本脊髄外科学会を立ち上げ、脊椎脊髄外科治療に従事している。ただ、筆者は30年以上脊椎脊髄外科治療に専念してきたが、まだ脳神経外科医が脊椎脊髄の疾患を診ていることは広く認知されているとは思えない。特に、腰痛になったら、真っ先に、どこを受診するだろうか。病院では整形外科、病院以外では鍼灸院ではないだろうか。

【Ⅱ. ある鍼灸師との出会い】

北海道の北にある礼文島をご存知だろうか。20年以上前、礼文島で脊髄外科を専門とする全国の脳神経外科医などが集まり、勉強する会があった。その会に、ある鍼灸師の先生(札幌のしらかば鍼灸整骨院院長佐藤雅美先生)が参加していた。その先生に興味を抱き、鍼灸のことをいろいろと教わり、鍼灸治療に興味を持ってしまった。

その後、腰椎手術後も腰痛が残存した患者を、遠方ではあったが、佐藤雅美先生に紹介したところ、腰痛が軽減。患者には非常に感謝された。以来、佐藤雅美先生には私の治療ではよくし得ない腰痛患者を時々、紹介するようになった。医療連携の始まりである。

 

つづきは、雑誌「医道の日本2019年6月号」でお読みください。

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