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編集部チャレンジ企画 鍼灸受療率アップ大作戦!

第8回 腰の痛みと身体の冷えを持つ患者

●「初めて患者」DATA ●
増山裕之さん、27歳・無職(取材当時)。170cm、70kg。
長時間の座り仕事、また趣味で始めたスカッシュで腰が痛むように。

●治療院名・施術者名●
健康スタジオ オールボディ マッサージ鍼灸院・小林晴記氏

  小学校、中学校、高校と同じ学校に通った旧知の間柄、それが偶然にも同じ業界で、かたや鍼灸マッサージ師に、かたや編集者になっていた。せっかくつながった自分にしかないこの縁を生かしたい……そこで、さらに同じ小・中学校に通っていた鍼灸未体験の同級生を巻き込み、それぞれの立場から鍼灸の受療率アップについて考えてみた。若手ゆえに突拍子もない意見が飛び出すかもしれないが、大胆な発想のなかに、思いもよらない気づきが生まれる可能性だってあるだろう。今回の記事が、皆さんにとっての「大作戦!」を考えるうえでの一助になることを望んでいる。

【 3人の同級生が鍼灸を考える】

  8回目の「大作戦!」を担当することが決まり、何か自分にしかできないアプローチはないものかと思案していたとき、編集Yから、「若手の意見を聞いてみてはどうか」という助言をもらった。そこで思いついた形が、鍼灸マッサージ師の同級生と鍼灸未体験の同級生、そして私(編集K)の3人で若手ならではの工夫や本音を語り、業界の常識にとらわれない大胆な提案をする、というものだった。
  鍼灸未体験の同級生・増山氏に今回の施術者が同じく同級生の小林氏になることを伝えると、「それなら安心だ」という返答があった。それまで鍼灸治療を受けたことがない人にとってみれば、鍼灸に対する不安などを少しでも和らげるために、知り合いの施術者に治療を頼むという選択肢も十分あり得るだろう。また、業界のこれからを担うであろう若手の治療家は、鍼灸受療率の低迷についてどう考えているのか、そして「初めての患者」であり友人でもある増山氏からも忌憚のない意見を聞いてみたいと考えた。

【地域にとけ込むためには盆踊りも】

  神奈川県横浜市、日産スタジアムの最寄駅でもある小机駅。そこから徒歩3分の立地に建つビルの3階に小林氏の治療院、「健康スタジオ オールボディ マッサージ鍼灸院」はあった。小林氏の高校時代の同級生でもあるスポーツトレーナーのT氏と2人で2016年6月に開業。現在はヨガインストラクターのレッスンも用意している。
  治療院に入ってすぐに目に付いたのは、バドミントンやテニスのラケットにガット(シャトルやボールを打つ際に当たる紐の部分)を張る機械。T氏は近くの体育館でバドミントンの教室を持っており、レッスン生もよく来院するとのこと。 受付の先に待合スペース、そして板張りのスタジオと治療室がある。ベッドは1床で、月におよそ70人の患者を治療しているという。簡易なホームページは用意しているものの、患者の大半は地域の方々と関係を築いたことで呼び込めたとのこと。そのために、例えば自治会のお祭りに出て盆踊りに参加したり、お神輿の片づけを手伝うなど、地域の集まりにはとことん顔を出したのだそう。

小林  当院のシステムとしては、30分コース、60分コース、90分コースを用意しています。このうち30分コースが一番選ばれています。10分単位で追加も可能なので、患者さんが希望する時間に合わせて調節することが可能です。また、ある程度時間に余裕がある場合は、その時間のなかで鍼灸マッサージだけではなく、例えばスポーツトレーナーがいればストレッチポールを用いたストレッチなども、患者さんの症状にあわせて提供しています。
編集K  仮に60分コースを選んでも、必ずしも60分間鍼灸やマッサージをするわけではない、という意味でしょうか?
小林  患者さんの身体の様子を見て、鍼灸マッサージよりヨガやストレッチのほうが効果を見込めると思った場合には、そういった提案をすることがあります。

  スポーツトレーナーとの共同経営の強みを生かし、患者の状態にあわせて柔軟に対応している。
   なお、小林氏と編集K、ともに敬語で話している様子からは小・中・高校の同級生という間柄とは思えないかもしれないが、小林氏としては、たとえ旧友だろうと治療院では敬語で接しているとのこと。

  小林氏に治療院の特徴を聞き終わった頃、患者の増山氏が来院した。幼馴染み3人が仕事の名目で顔を合わせると、とたんに気恥ずかしさがこみ上げる。増山氏も、「2人が敬語で話しているし、何より編集Kが見慣れないスーツ姿だから、気軽な気持ちで来た自分が場違いのようで緊張してきた」と、やや顔がこわばっている。

  気を取り直して増山氏にも今日の流れを説明し、早速問診へ。小林氏は慣れた様子で待ち合いスペースの椅子に増山氏を案内し、カウンセリングシートを渡して記入してもらう。増山氏の主訴である腰痛については「腰が張っている感じがする」とのこと。そのほか、既往歴や過去にやっていたスポーツ、今日の目的・目標などを書いていく。

小林  鍼灸ってどんなイメージをお持ちですか?

増山  やっぱり身体に鍼を刺すのは怖いなって。お灸は、やけどしないのかなって思う。

小林  例えば増山様が感じている腰の張りですが、鍼灸はよい効果が期待できます。鍼も注射針を思い浮かべる方が多いですが、実は非常に細く、髪の毛くらいといわれています。鍼を刺したときにはチクッとした痛みがあるかもしれませんが、どちらかというと鍼の得意不得意はそのあとの「ひびき」が関係することが多いです。鍼を身体の奥に入れるとずーんとした感覚がありまして、それがひびきと呼ばれています。なので、初めて鍼灸を受ける方へ、最初から深い鍼を刺したりはしません。

 

つづきは、雑誌「医道の日本2018年4月号」でお読みください。