最も気になる症状(国民生活基礎調査「健康票」)の治療で
あんま・はり・きゅう・柔道整復師(施術所)にかかっている割合に関する調査〔後編〕

矢野 忠 氏 ほか

※〔前編〕は雑誌「医道の日本2019年10月号」でお読みください。

【Ⅰ. はじめに】

3年に一度行われる国民生活基礎調査は、「保健、医療、福祉、年金、所得等国民生活の基礎的事項を調査し、厚生労働行政の企画及び運営に必要な基礎資料を得る」ことを目的とした公的調査である。このなかであん摩マッサージ指圧、はり、きゅう(以降、あはきと表記)と関連が深い調査が「健康票」である。厚労省はこの調査を厚生行政に活かそうとしている。だが、調査では「あんま・はり・きゅう・柔道整復師(施術所)にかかっている」と一括しているため、どの症状にあん摩、はり、きゅう、柔道整復術を利用しているのか、わからない。前編(雑誌「医道の日本2019年10月号」)では、調査対象、調査方法、回収状況とその属性、各療法の受療状況、および受療者がかかった上位5位の症状について紹介した。後編では、各療法の利用状況を明らかにしたので紹介する。

【Ⅳ.(前号の続き)結果とその意味】

4. 最も気になる症状とその症状に対する治療効果について

あマ指療法、鍼灸療法、柔道整復術にかかった症状のなかで最も気になる症状を1つ挙げてもらい、その症状に対する治療効果を尋ねた。

1)各療法にかかった最も気になる症状上位5位
各療法にかかった症状で最も気になる症状上位5位を、前号から続き表11に示す。表9(雑誌「医道の日本2019年10月号」の〔前編〕に掲載)と表11を突き合わせると、上位5位の症状はほぼ同じであった。すなわち、各種療法ともに「かかった症状」と「最も気になる症状」が運動器系症状であったことが示された。

※表は雑誌「医道の日本2019年10月号」をご参照ください。
ということは、これらの療法にかかる症状は、ほぼ運動器症状と固定化されているということである。一部、あマ指療法では全身症状として「体のだるさ」があり、柔道整復術では「骨折・捻挫・脱臼」があり、それぞれの療法の特色が示されたものの、3者間には著しい相違は認められなかった。

2)最も気になる症状に対する各療法の効果について
表12は、最も気になる症状に対するあマ指療法の効果を示す。「効果があった」を「少し効果があった」以上とすると194人(93.7%)であった。なお、あマ指療法の受療者は210人であったが、3人に記載がなかったことから受療者207人を対象とした。

効果の程度について、最も多かったのは「ある程度効果があった」118人(57.0%)、次いで「少し効果があった」46人(22.2%)、「非常に効果があった」30人(14.5%)であり、「非常に効果があった」が最も少なかった。「非常に効果があった」と「ある程度効果があった」を「有効」とすると「有効」は148人(71.5%)であった。

表13は、最も気になる症状に対する鍼灸療法の効果を示す。「効果があった」を「少し効果があった」以上とすると49人中42人(85.7%)であった。効果の程度については、最も多かったのは「ある程度効果があった」21人(42.9%)であり、最も少なかったのは「少し効果があった」8人(16.3%)であった。「非常に効果があった」と「ある程度効果があった」を「有効」とすると「有効」は34人(69.4%)であり、あマ指療法とほぼ同率であった。

表14は、最も気になる症状に対する柔道整復術の効果を示す。「効果があった」を「少し効果があった」以上とすると、「効果があった」は129人(90.8%)であった。効果の程度については、最も多かったのは「ある程度効果があった」58人(40.8%)であり、最も少なかったのは「非常に効果があった」35人(24.6%)であった。「非常に効果があった」と「ある程度効果があった」を「有効」とすると「有効」は93人(65.5%)であり、あマ指療法および鍼灸療法よりは低かった。

※表は雑誌「医道の日本2019年10月号」をご参照ください。

 

つづきは、雑誌「医道の日本2019年11月号」でお読みください。

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