トピックス

モバイルデバイスで伝える患者説明―iPadを利用して臨床の質を高めよう! [2011.10.03]

日本鍼灸師会の副会長である小松秀人先生は1年前から患者さんへの説明にiPadを使われているそうです。 映画、音楽、ゲーム、ネット閲覧...、何でもありの高機能端末といわれるiPad。鍼灸師もiPadを臨床に絶対に取り入れるべきだ、と強く言われるそのワケをお聞きした。

topics_111003_02.jpg

正常骨格X線写真集(無料でダウンロード)と
書き込みアプリケーションを使って説明する小松秀人氏。
小松氏は決してパソコン等のデジタル機器が
得意というわけではなかったという。

――iPadを使うようになったきっかけを教えてください。

 

小松 きっかけというより、私は20年前から患者さんの抱えている問題やその治療法をわかりやすく患者さんに伝えるためにはどうしたらいいかという事を、いつも考えていました。例えば身体診察の結果あるいは姿勢バランスや歩き方などを写真・ビデオに取り込み分析し、患者さんへの原因説明に活用していました。そのような理由から、昨年、モバイルデバイスとしてiPadが出て以来、これを臨床に活用しています。

 

 

――小松先生はパソコン等のデジタル機器は得意ですか?iPadは使い方を誰かに習ったりしましたか?

 

小松 私はパソコンは不得意なんです。携帯電話だって、2年前からやっとしかたなく持ち始めたんですよ。そのくらいこういった機器は好きではありません。ただ患者さんの情報分析、情報集積、情報伝達にパソコンはものすごく優れています。その中でもiPadは使い勝手が最高によいのです。iPadは使い方も簡単ですよ。私は以前からパソコンに患者さんの画像データ等を取り込んでいましたので、多少は慣れているかもしれませんが、本当に操作は難しくないですよ。

 

topics_111003_03.jpg


筋アプリケーション「The muscle system pro」
は筋層が細かく分かれているので、
深部の筋もしっかり見ることができる

 

 

――では具体的にどのように使うのですか?

 

小松 鍼灸院に来院される患者さんは筋・骨格系の疾患の方が多いので、よく使うのは筋・骨格のアプリケーション「The muscle system pro」(3D4Medical.com, LLC)「The skerton system pro」(3D4Medical.com, LLC)です。

また、バイオメカニズムや動作分析とか、そういったデータを取り込み、これを分析のディバイスとして使ったりしています。iPadは縦にも横にも置けるのでそこがさらに便利なのです。

臨床では、まず問診と病歴聴取で患者情報を収集したあと、痛みの原因を正確に調べるために身体診察をしますよね。患者さんは身体の仕組みがわからないので、このiPadの筋や骨格の画像を活用して、痛みがなぜ発生しているのか、痛む部分の身体の構造を説明するのです。このアプリケーションは3次元で動かせますので、よりリアルに理解してもらえます。患者さんも痛みの原因を理解できるので、その痛みをいらぬ心配をすることなく需要できるのです。整形外科に行って自分のレントゲンを観せてもらって、「あ~変形しているね」なんて言われるのより、ずっとリアルにその状態を理解できますよ。またこんな姿勢のアプリケーケーション『Shisei Innovation System』(ザ・ビックスポーツVer.7)もあります。

 

topics_111003_04.jpg

姿勢アプリの写真
姿勢の歪みを計測しコンピュータによる解析を行う

 

患者さんの写真を取り込み、この姿勢アプリで姿勢を確認後、書き込みアプリ『閃き☆ボード』(Qlife.Inc.)を使って、写真に書き込んで指摘したり、手書きアプリ『Penultimate』(Cocoa Box Design LLC)を使って患者専用ノートを作り、記録として残したりしています。このアプリは患者さんの写真を取り込めるのでカルテとしても使えます。

 

topics_111003_05.jpg
topics_111003_06.jpg

患者の写真を取り込み、
書き込みアプリケーションを使って説明

患者の写真を貼って患者専用ノートが作れる
『Penultimate』

 

 

他にも患者さんに自宅で運動療法をしてもらうために、筋トレ用のアプリケーション『自宅でできる筋肉トレーニング』(Aya Pop)というものもあります。これを治療院でやって覚えて帰ってもらい自宅でやってもらうのです。 患者さんに、①見て、②知って、③意識してもらい(イメージしてもらい)、④行動へつなげる―これがモバイルデバイスを使っての患者説明のコンセプトです。

 

topics_111003_07.jpg

筋トレ用のアプリ「Treaning Muscle」
筋トレを行うタイムも提示される

 

 

――アプリはどのように手に入れるのですか?

 

小松 骨格系のアプリケーションは"AppStore"からダウンロードしてきます。価格はいろいろですが、無料でダウンロードできるものもあります。『閃き☆ボード』は250円、『Penultimate』は170円、『The muscle system pro』は2,300円でした。とても安いです。

アプリケーションも「筋肉、整形外科」などの単語で検索すれば、すぐ出てきます。患者さんの状態を的確に伝え、どういう治療を受けたのかということを患者さんにフィードバックさせる形が今求められています。自分の受けた治療を見て、知って、理解する(イメージする)。そして患者さん自身が行動し、自立し、われわれはその患者さんを支援していく。そういう構図を臨床の中で組み立て実行していくのに、iPadは力強い味方です。それが結果的に患者さんからの信頼に結びつき、「患者さんから選んでもらえる鍼灸師」につながるのです。

 

 

業界ニュース&トピックス

ディスプレイルーム

〒108-0075
東京都港区港南2-4-3 三和港南ビル5F
TEL 03-5461-3050
営業時間 AM10:00~PM6:00