今月の薬膳

2011

08

甘酒

効く
夏バテ

まだまだ暑さの続く8月です。

今回は、夏バテを防ぐ「甘酒」をご紹介します。

1108_img01.jpg立秋を迎えると季節の上では秋ですが、まだ残暑もきびしい季節ですね。江戸時代、夏バテを防ぐために飲まれていたのが「甘酒」です。甘酒というと冬の飲みものというイメージがありますが、れっきとした夏の風物詩。俳句では夏の季語となっています。

 

お金持ちの夏バテ防止がうなぎなら、甘酒は庶民の味方だったとか。夏バテで食欲がなくなったときに飲んだ甘酒は今でいえばぶどう糖、必須アミノ酸、ビタミンB1・B2・B6、パテトン酸、ビオチンなどを含み、点滴の液と同じような成分であることから、夏バテのドリンク剤として利用されたものと思われます。

 

甘酒は中国にもあり「酒醸(ちゅうにゃん)」と呼ばれます。米麹で米を発酵させて作り、日本の甘酒と同じです。留学していたころ、中国は北京の屋台で、ゴマあん入りの白玉だんごの入った酒醸、「酒醸湯圓」を食べたことがあります。これは上海ではお正月に食べるデザートのようで、屋台以外では見かけることはありませんでした。四川料理などでは、自然の甘みを、お料理の隠し味に使うとのことです。

 

酒醸は≪本草綱目拾遺≫ではその効能として「益気、生津、活血」の作用があると紹介されています。夏バテの原因の一つは、汗をかきすぎることで気と津液を失うことによる消耗です。酒醸はこれを補って回復に導きますので、ぴったりの食材といえます。夏ですので、少し冷やしてどうぞ。

「甘酒の作り方」

材料

もち米 ・・・1合

米こうじ ・・・200g

作り方

  1. もち米を研ぎ、5倍の水で粥を炊く。
  2. 炊きあがった粥を60度くらいに冷まし、揉みほぐしたこうじを加えて混ぜ合わせる。
  3. 50~60度に温度を保ち、10~12時間発酵させる。
ポイント

炊飯器の保温機能を使うときには、ふたを開けておき、ふきんをかけておくと温度が上がりすぎずうまく発酵が進みます。

食材性味帰経効能
あまざけ 甘辛 益気、生津、活血。
筆者プロフィール
瀬尾港二

history001.jpg1960年宮崎県生まれ。ICU理学科卒業後、85年~94年北京留学。北京中医学院針灸推拿学部卒業。卒後研修を経て、帰国。東京衛生学園を卒業後、後藤学園に就職。附属はりきゅう臨床施設院長として臨床にあたりながら、講義も担当。2010年3月退職し、同年4月港区高輪に「アキュサリュート高輪」(http://acu-salut.jp)を開設。

 

 

稲田恵子

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神戸市生まれ。養護教諭を経て93年~96年北京中医薬大学養生康復科にて中医栄養学、中医養生学を学ぶ。帰国後、(株)永昌源にて勤務の傍ら中医薬膳に関する講演活動、執筆に携わる。東京衛生学園専門学校講師、日本ソムリエスクール講師、北京中医薬大学日本校講師。現在㈱保健教育センターにて、特定保健指導継続支援を担当。保健師、看護師。

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