今月の薬膳

2013

06

あずき粥

効く
利水消腫 、補中益気 、健脾和胃

6月といえば梅雨の季節。体内に余分な水分である湿が停滞すると、むくみや、 だるさなどの症状が出てきます。厄介な湿の対策には、利水・健脾効果のある 「小豆」が最適です。

6月は徐々に湿度が高くなってきます。気象庁のデータを見てみると、例えば2012年の東京では、7月の平均湿度がいちばん高く75%、次いで6月と9月が73%で並び、8月が69%となっています。6月から9月の4カ月間が高い湿度となっています。

 

  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

平均

湿度

43% 49% 59% 63% 65% 73% 75% 69% 73% 65% 65% 52%

 

(気象庁ホームページより)

 

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湿度が高くなると、身体の中の「湿」も増加してきます。普段私たちの身体からは、不感蒸散といって、汗をかかなくとも水分が蒸発していますが、梅雨時には洗濯物が乾きにくいように、私たちの身体も乾きにくくなるわけです。

 


中医学では、環境による病因を六邪(風、寒、暑、湿、燥、火)としてまとめています。この中でも、湿邪は、粘滞性がありしつこく、気の流れ を滞らせ、他の邪気とからみ合い、寒湿や暑湿のように合体し、邪気としてパワーアップしてしまいます。もともと湿気の多い日本では、ホントに厄介な代物で す。


体内に余分な水分である湿が停滞すると、むくみや、身体の重だるさなどの症状が出てきます。また湿は気の流れを滞らせるので、関節痛や各所 の痛みを引き起こします。筆者の治療院でも、梅雨の時期にはぎっくり腰や寝違え等の急性の痛みの患者さんが増えます。また、筆者の北京留学中には、日本に いた頃は膝の痛みがひどかったのが、北京に住み始めて膝痛がなくなったという人が何人かいました。北京が割合乾燥した気候だからではないかと思われます。


このような厄介な湿への対策は、まずは尿量を増やすこと。不感蒸散量が減った分、利尿作用のある食材を多くとる必要があります。また、余分 な水分を外に出す働きを受け持つ脾の機能を高める健脾の作用のある食材も積極的にとりたいところです。ただし、利尿作用のある食材には、身体を冷やすもの が多いので、まだ冷える日もある6月は注意が必要です。つまり、利水や健脾の効能があり、冷やしも温めもしない性が平の食材が、6月には最適と言うことが できます。


平性で利水や健脾効果のある食材には、ベビーコーン、そらまめ、小豆、鯉、フナがあります。今回は、『中華薬粥譜』から小豆(あずき)のお粥のレシピを紹介します。


小豆は赤小豆(セキショウズ)とも言われ、浮腫の治療に使われてきました。唐代に書かれた『食療本草』には、鯉と一緒に煮込むことによって 水腫や腹水に効果があることが記されています。また、小豆を煮た汁を冷ました後、ジンマシンにつけると3、4回で治癒するとも記されています。同様に利尿 作用のある青小豆(緑豆)は、涼性ですが、赤小豆は平性であるため湿気はあるけれどまだそれほど暑くはない季節によい食材です。

 

 

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あずき粥

材料

小豆…60g
米…30g

作り方

  1. 小豆はさっと洗って、熱湯を注ぎそのまま1晩つけておく。
  2. 鍋に小豆と豆を漬け込んだ液も入れて、豆が柔らかくなるまで煮る。
  3. 2に米を加え、米がはじけるまで煮込む。
ポイント

小豆薬効成分は、煮汁やアクに含まれていますので、豆の煮汁は捨てずに一緒に煮込みます。豆の多いこのレシピは利水消腫の効果を考えて作られています。

食材 性味 帰経 効能
小豆 平甘酸 心小腸 利水消腫
うるち米 平甘 脾胃 補中益気、健脾和胃
筆者プロフィール
瀬尾港二

history001.jpg 1960 年宮崎県生まれ。ICU理学科卒業後、85年~94年北京留学。北京中医学院針灸推拿学部卒業。卒後研修を経て、帰国。東京衛生学園を卒業後、後藤学園に 就職。附属はりきゅう臨床施設院長として臨床にあたりながら、講義も担当。2010年3月退職し、同年4月港区高輪に「アキュサリュート高輪」(http://acu-salut.jp )を開設。

 

 

稲田恵子

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神戸市生まれ。養護教諭を経て93年~96年北京中医薬大学養生康復科にて中医営養学、中医養生学を学ぶ。帰国後、(株)永昌源にて勤務の傍ら中医 薬膳に関する講演活動、執筆に携わる。その後㈱保健教育センターにて、特定保健指導継続支援を担当。現在、首都医校看護保健学科専任教員。保健師、看護 師。

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