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教卓の向こうから(1)小川裕雄先生

このコーナーでは、鍼灸マッサージ師の養成施設で教える先生たちが、どのような授業を日々心がけ、またどんな思いで学生の皆さんに教えているか。教育現場の生の声を取り上げていきます。
第1回は東京医療専門学校・鍼灸マッサージ科の小川裕雄先生。小川先生は教員歴14年で、臨床各論とあんまの実技をご担当しています。実際の授業にお邪魔して話を伺いました。

【2009年2月10日 東京医療専門学校にてインタビュー】

――腹部へのあんまの実技を見学させていただきましたが、身近な例え話を交えた授業が、とてもわかりやすかったです。

 

小川 私は難しい教育方法なんて全く考えてないんですよ(笑)「シンプル・イズ・ベスト」を教育のモットーとしています。こちらが常識としていることも、学生にとっては全くわからないことが当然あります。ですから、今日の授業で「佐渡の船漕ぎがオールを漕ぐように、腹部全体を揉みましょう」「腹大動脈は洗濯機のホースくらい太いから気をつけて」と説明したように、難しい言葉を使わずに、いかに易しく教えるかが、私の授業のポイントです。万が一、授業中に寝てしまうような学生がいれば、自分の努力が足りないんだと常に自問自答しています。
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」ということわざがありますが、「小川が憎けりゃ教えている教科まで憎い」になりますから(笑)、勉強が嫌になってしまうことがないように、というところに一番気をつけて、日々教壇に立っています。

 

 

――学生同士でペアを組んで練習しているとき、先生が絶えず左右に気を配って、学生の実技を静かにチェックしていたのが印象的でした。必要な時だけアドバイスするといった風に見えました。

 

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小川 技術は知識の記憶だけではどうにもなりません。一に練習、二に練習、三四がなくて五に練習、です。今日は腹部への「揉捏」の実技でしたので、筋肉をしっかりと掴めておらず「軽擦」になってしまっている学生には、そのまま練習していてもうまくなりませんので、アドバイスするようにしていました。しかし、なんでも手取り足取りでは、学生の気付きを奪ってしまいます。
「それなら、教員はいらないのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、学生が壁にぶち当たったときの道しるべに自分がなれればと思っています。今日も学生からいろいろ質問を受けましたが、そのときはもちろん、丁寧に教えます。

 

 

――これから鍼灸師を目指す学生にメッセージをお願いします。

 

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小川 鍼灸師養成学校が増え、これからライバルの鍼灸マッサージ師が増えていきます。本来、医療は競争ではありませんが、厳しい状況になるのは間違いありません。 ただ、患者は鍼灸マッサージの技術だけを求めているわけではなく、治療者の人柄も重要です。それは学校で教えられるものではないし、学べるものではないので、ぜひ人間性をそれぞれで磨いてもらいたいです。
今時の若者は成熟していない、といった論調をよく見かけますが、それは大人がそういうふうに扱っているからではないでしょうか。養成施設の学生は、どれだけ若くても18歳ですから、私は基本的に大人として扱っています。そうすれば、大人としての態度を返してくれる。私はそう思います。

 

 

 

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