デイサービスらしくない デイサービスを目指す

デイサービスかなん

  かなんcareグループは、5つのデイサービスと華南治療院を運営している。代表を務めるのは鍼灸マッサージ師の狩野裕治氏。2004年、群馬県渋川市で開設されたデイサービスかなんを2016年2月1日、道路拡張による移転に伴い、同グループ内のデイサービステレサと統合した。この新装したばかりの施設を取材した。

【利用者数を増やして稼働率アップ】

  デイサービスかなんが現在見込んでいる利用者の最大数は月170人で、訪問治療もマッサージ師が分担して月に50人ほど利用者宅を回っている。開設当初は、午前と午後の各定員数の上限が10人だったものの、15、20人と増え、移転後は35人となった。規模を大きくした理由を狩野氏は次のように話す。
  「小規模であればそれだけ料金改定の影響を受けやすいので、ある程度の規模がないと存続していくことが厳しい時代になったと実感しています。午前と午後の定員数がそれぞれ10人のデイサービスだと、疲労回復、筋力トレーニング、参加活動を目的に運営するためには、スタッフは最低でも4人必要になる。しかし、規模を拡大して定員数を3倍の30人に増やしても、スタッフの数は同じ3倍の12人にする必要はありません。上限35人で、人員基準は機能訓練士1人、看護師1人、生活相談員1人、ヘルパー5人の合計8人となります。特別な設備などを除けば家賃も3倍以内で収まります」

【銭湯方式で効率化を図る】

  デイサービスを統合してスタッフを集めた場合に問題となるのがサービスの質を維持できるかである。デイサービスの統合は道路拡張工事の遅れで予定よりも延期された経緯があるが、結果的に利用者やスタッフの声と、これまで培ってきた経験を形として表せるよい機会を得たと狩野氏は話す。その形の一つが番号札を配布する方法である。利用者はデイサービスに到着すると、まず下駄箱とロッカー棚を一式にした番号札が手渡される。番号札を施設内中央のボードに書かれた利用者名とリンクさせることで確認と管理が速やかにできる。そのため送迎時間帯における出入口の混雑の緩和と荷物の取り間違いを防ぐことができ、利用者の帰り際をスムーズに誘導できる仕組みだ。番号札制とはまるで銭湯のようだが、こういった細かい工夫による効率化が重要だと狩野氏は言う。
  また、浴室を3カ所に設置し、脱衣所の隣にカーテンで仕切った着衣所を設けたことで、入浴が終わった利用者が服を着ている間に、もう一人が脱衣を始められるつくりにした。さらに定員35人に対し、トイレを5カ所(そのほかにスタッフ用のトイレ2カ所)設置し、利用者を待たせないように徹底している。

【利用者の声に順応する】

  開設したての頃は「デイサービスに行くことが恥ずかしい」「幼稚園でやるようなことはしたくない」という意見が特に男性利用者に多かったという。このような声に頭を抱える経営者やスタッフは少なくないはず。そこで狩野氏は、福祉の目で見るのではなく、治療院に来てもらう感覚で利用者に接するよう心がけ、全体で行うレクリエーションやカラオケは行わず、将棋や料理、俳句などのカルチャー的なメニューを取り入れている。

 

つづきは、雑誌「医道の日本2016年4月号」でお読みください。