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頭部・顔面部へのクレニオセイクラルセラピー

本間毅

  クレニオセイクラルセラピー(以下、CST)は、アメリカのオステオパシー医師、ジョン・E・アプレジャー博士がまとめあげた治療法で、頭蓋骨と仙骨を結ぶ硬膜の機能を改善させることで脳脊髄液の流れを促進し、神経系を賦活させるというものである。そのため、日本語では「頭蓋仙骨療法」と訳される。  
  アプレジャー博士が頚部の手術助手をしていた際、頚部の硬膜の固定をしようとしたところ、その硬膜が律動的に動いて固定がうまくいかないということがあったという。その現象に興味を抱いたアプレジャー博士はオステオパシー医師の団体であるクラニアル・アカデミーにて、硬膜系にリズミカルな波動現象(クレニオセイクラル・リズミック・インパルス:CRI)があることを事実として確認し、その後ミシガン州立大学で研究を続け、CSTとして教え始めた。2012年にアプレジャー博士は死去したが、現在もアプレジャーインスティテュートのインストラクターが全世界でCSTの指導を行っている。今回取材した本間毅氏(稲毛オステオパシーセンター院長)も2012年から、アプレジャーインスティテュートのインストラクターを務めている。鍼灸マッサージ師の免許も持つ本間氏に、鍼灸マッサージと併用できるCSTのテクニックについて聞いた。

【CSTはどのような症状に効果があるのか】

  硬膜は頭蓋骨だけでなく、全身にくまなく行きわたっている。硬膜の下にはクモ膜、軟膜が、さらにクモ膜下には脳脊髄液が循環している。CSTとは、比較的に体表から近い硬膜を通して、脳脊髄液の動きを触診し施術をしていく治療法だと、本間氏は語る。
「脳脊髄液の動きも身体の状態によって変化していきますが、それをSQAR(S:対称性、Q:質、A:振幅、R:速度)の4要素に分けて判断します。例えば、足関節の捻挫後に頭痛が続いている場合、受傷した足部はもちろん、足部から離れた体幹や頭蓋の脳脊髄液のSQARも、組織の病変に伴い変化が生じています。CSTは、身体のさまざまな状態において脳脊髄液のシステム(クレニオセイクラルシステム)がどのようになっているかを判断し、システム全体のSQARを改善することを目標にします」
  このような理論に基づいて治療するので、CSTはさまざまな疾患・症状に効果が期待できるという。例えば、上述のような受傷部位および受傷部位以外に現れるさまざまな症状のみならず、アルツハイマー病や脳震盪後後遺症、うつやパニック障害、自閉症や学習障害などにも効果が期待されると、本間氏はいう。
「アルツハイマー病は脳の神経細胞が破壊されていく病気ですが、脳脊髄液の循環を改善することにより、神経細胞の栄養の補給や不純物の排泄が促進され、神経細胞の破壊を最小限にすることが期待されるのです。脳の損傷後のケアとしても、損傷後の不純な血液の排泄を促すのにCSTが助けになる可能性があります。現にアメリカのNFLプレイヤーがCSTを受けて改善したという症例も紹介されています」

 

つづきは、雑誌「医道の日本2017年5月号」でお読みください。