刺さない美容鍼と刺入鍼を併用した症状別アプローチ

光本朱美

【Ⅰ. はじめに】

筆者はフランス留学時代、世界の多くの国籍の女性顧客に施術し、たるみの経過、リフトアップの経過を見てきた。そして施術によりリフトアップをしてくると、頬の高さや額の丸み、フェイスラインのシャープなラインが復活して顔が立体的になること、目鼻や頬がセンターに集まることを発見した。

その後、フランス式モデラージュエステと東洋医学を融合し、解剖学的根拠に基づき、顔を立体的に寄せて上げる「ハリジェンヌ式センターリフト」を考案。この施術は深刻なたるみを解消する全く新しいリフトアップメソッドである。顔の形を整え、美しく凜とした端正な顔印象に近づけることを目的としている。

【Ⅱ. 若い頃からの「たるみ」の原因は 現代社会が生み出している】

美容鍼を受療する患者にとって深刻な悩みであるたるみは、顔面部にある50の筋肉と頭皮の12の筋肉(左右両側の合計数)が硬くなることで起こる。

現代はスマートフォンやPCによる目の酷使、長時間のPC作業などにより表情筋を使わなくなっている。その結果、筋肉が疲労し、収縮して硬くなり、ゆるみづらくなる。さらに筋肉の硬さが血行不良を招くので、ますますゆるみにくくなる。その結果、筋肉は次第にやせ細り、頬が下垂して下ぶくれになり、フェイスラインがくずれ、目を支えている眼輪筋が衰えて目が中心から外へ向いてしまう遠心性たるみの状態となる。ベッドで横になったときに鏡を上に持って見てみると、耳の前にたるんでいる皮膚が余ってつかめるようになってくる。

ハリジェンヌの美容鍼テクニックの特徴である「刺さない美容鍼」は、どんなタイプの皮膚・顔の筋肉でも高い効果を上げるパリのエステ技術と、顔のツボ、リンパや血液の流れを重視した東洋医学の美容鍼を融合させ美顔メソッドである。鍼だけではほぐして鍛えにくい表情筋に働きかけて、肌が本来の弾力を取り戻し、顔がグッと引き締まる。その後に刺す美容鍼をすることでより効果を高める。

また、即効性などの効果だけでなく、抜かりなく25種類の表情筋をほぐすことにより、美容鍼のリスクである内出血などの回避も図っている。

【Ⅲ. 症状別アプローチ】

1. ニキビ
ニキビは、肌代謝が最も遅い「ガンコライン」(筆者の造語で、頬骨弓と咬筋起始部の重なるラインを指す)をほぐすことでリンパの流れを改善し、頚部にあるリンパ節を活性化する。回数を重ねていくと、ニキビが出にくい肌、出ても治る肌に変わっていく。

刺さない美容鍼はデラパージュを行い、「ガンコライン」を筋肉に対して垂直にほぐしていく。刺す美容鍼では「ガンコライン」にセイリン03番を13㎜、咬筋に対して垂直に刺入する。

2. 目元のたるみ
目元のたるみは、眼輪筋の起始部が中心に寄っていたものが筋肉の疲労により栄養が運ばれず外だるみしていくことで起こる。両目の距離が離れることにより、顔が老けて見えてしまう。目の距離をセンターに向けていくことが若返りや小顔のためには大切であり、そのために「Cカーブ」(筆者は眼輪筋起始部をこのように呼んでいる)を刺激していくことがポイントとなる。

刺さない美容鍼ではフリクションを行い、Cカーブを下から上に鼻骨を押すように、眼輪筋の起始部を刺激してほぐしていく。次に、ドゥーブルのボールとハンド(中指)で眼輪筋の走行に沿って回転させるように刺激する。刺す美容鍼では、Cカーブにセイリン03番を8㎜垂直に刺入する。

3. フェイスラインの改善
フェイスラインを全体的に改善するには、刺さない美容鍼ではトゥルネを行う。オトガイ舌骨筋、顎二腹筋、顎舌骨筋、茎突舌骨筋を、エッフェルドゥースのボールの刺激とハンド(四指)の第2関節を回転させて深い筋肉を大きく刺激していく。

刺す美容鍼では、ネックインナーパート(茎突舌骨筋、顎二腹筋)にセイリン03番を13㎜垂直に刺入する。

4. 額のしわ
額のしわを改善するには、前頭筋のこりによる骨への癒着を取るのが大切である。特に髪の生え際が硬くなって動かない人は額の真ん中に深いしわ、そのあとに細かい額のしわが出てくる。放っておくとこりが進行し、筋肉自体が血管から栄養されずにやせ細ってくるため、額の丸みがなくなり、女性らしさに欠けて顔が硬い印象になる。

刺さない美容鍼ではエレガント・ロールを行う。エレガントを用いて額全体を端から端に、癒着を取るように転がしていく。刺す美容鍼では、バージフロン(前頭筋の髪の生え際)にセイリン03番を6㎜垂直に刺入する。

 

つづきは、雑誌「医道の日本2019年2月号」でお読みください。
本誌では、施術手順も詳しく紹介しています。

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