あはきの教育現場の今
盛岡医療福祉専門学校

【整備された環境下で高齢者医療にも尽力】

学校法人龍澤学館盛岡医療福祉専門学校は1997年4月に看護・医療福祉系6学科を開校し、鍼灸学科と柔道整復学科が増設されたのは2006年4月である。盛岡駅から徒歩7分の好立地に建てられた華やかな「デザイナーズ校舎」が目を引く。鍼灸学科の校舎は2014年に完成、2018年7月に改修工事に着手し、同年11月にリニューアルしたばかり。「学生が快適に学べる空間を整えるのは学校として当たり前のこと」という揺るがないスタンスを持っている。

【附属鍼灸院リニューアルの意義】

盛岡医療福祉専門学校の附属鍼灸院は、以前は施術室2部屋にそれぞれベッド1台を置いていたが、今回のリニューアルにより3部屋に増やした。しかも、それぞれの施術室をスポーツ鍼灸、高齢者鍼灸、美容鍼灸に割り振り、施術に適したベッドを設置している。あはき教育の新カリキュラムの検討が始まった頃から栗島秀行副校長主導の下、教員間でも話し合い、対応を考えた結果の一新である。附属鍼灸院は一般患者を受け入れる環境であることから、デザイン性も重視した。

各施術に適したベッドを導入したことについて、鍼灸学科主任の設楽雄介氏は「鍼灸を受ける患者さんの要望はさまざまですし、年齢層も幅広いので、それを敏感に受け止めて、随時対応できる人材を我々は育成しなければならないと考えています。それゆえに、目的を持った施術室をつくり上げました」と説明する。当然ながら、指導は各施術に精通し研鑽を積んでいる教員が担当する。

座学においては、新カリキュラムに対応して「コミュニケーション学」「社会保障制度・職業倫理」「鍼灸適応の判断」「病態生理学」を追加した。「学校である以上は、どの分野のどのような症状の患者さんが来院しても、医療人としての対話ができるように指導している」とのこと。

同校が強く掲げるテーマは「学生が主人公」。学生が好き放題に振る舞うことを承認するような言葉に聞こえなくもない。そんな懸念を一蹴するかのように、設楽氏は入学直後のオリエンテーションで必ず「勘違いしないように」と伝えている。

「主人公は舞台の中央に立つのですから、観客からも共演者からも、スタッフにすら見られます。舞台の様子がテレビなどで放映されれば、もっと多くの人が自分の姿を注目する。それが主人公です。治療院を舞台とし、自分が主人公だとすれば、鍼灸師は患者さんやスタッフはもちろん、患者さんのご家族、地域住民の方たちも見ています。ホームページなどで情報を発信しているならなおさらです。大人として、人間として、それなりの覚悟を持ってやりましょうと、最初にお話ししています」

国家試験対策としては、必須科目を2年次までに学び、3年次は全科目の復習期間となる。3年次の臨床実技は10月まで1日2コマ行われる。国試対策としての補講を開催しているが、1、2年次に学んだことを忘れている学生もいるので、繰り返しを大切にしている。

卒業後のフォローについて、事務局主任の杉山力氏は「10期の卒業生を輩出したので、校友会を準備したい」とのこと。地元の岩手県出身をはじめ、近県の青森県、秋田県出身の学生が多く、「人間的な温かみ」が学校パンフレットに載らない同校の特徴だと語る。附属鍼灸院においても、学生が臨床実習を行う場であることをよく理解して施術を受ける患者が大半で、「学校と盛岡という土地に感謝しています」とは設楽氏の弁である。

【学生を観る、声をかける】

学校の定員割れ、「しつけ」や識字の教育に難渋するのは、あはきの養成施設に限ったことではない。同校ではこの事態にどう対応しているのだろうか。

 

つづきは、雑誌「医道の日本2019年6月号」でお読みください。

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